「小さな音量で音楽を聴くと、音楽のイメージが崩れてしまった」という経験をお持ちの方は多いと思います。
それは、音楽信号に含まれる細かな調波成分が、アンプのノイズにマスキングされ聞き取りにくくなってしまうことが、原因の一つとして挙げられます。
一般にアンプを通して音楽を聴く場合は、ボリュームを最大レベルから十分絞って聴くことになります。これは、アンプの最大出力が通常のリスニングレベル(数百mW〜数W)に比べて非常に大きく設定されているためです。
一方、アンプの内部では、半導体や抵抗などの回路素子からわずかながら「サー」というような、あるいは「フォー」という連続したノイズ(熱雑音)が発生しています。同様に、アンプに接続されるCDプレーヤーやレコードプレーヤーなどのソース機器でも各種のノイズが発生しますが、これらはアンプのボリュームを絞ることによって音楽信号と共に小さくなります。
ただ、アンプの場合は、ボリューム以降の回路で発生したノイズは減衰することなくスピーカーに出力され(*1)、それもアンプのゲイン(増幅度)が高いほど大きくなります。
このため、ボリュームを絞って小さくなった音楽信号や余韻などの細かなニュアンス成分が、ボリューム以降のアンプ回路で発生するノイズのレベルに近づくと、細かな音楽信号がアンプのノイズに見え隠れして聴こえにくくなってしまいます(*2)。
そこで、ボリュームの後に、LSI制御によるボリュームレベルと連動するゲインコントロールアンプを搭載し、ボリュームを絞った時にアンプのゲイン(増幅度)を下げて(*3)、回路素子から発生するアンプ内部のノイズを抑え、音楽信号の細かなニュアンスでさえ、ノイズに埋まることのない再生ができるようになりました(*4)。 |