| 大朏 |
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そういう判断はその人しかできないもんね。何かほかにいいことあるのではという判断はね。30億円の1億5000万円、売り上げの5%というと、メーカーでいうと開発費に相当しますが、かなりの優良企業ですね。売り上げの5%となると、これはとてつもなく伸びる会社、力のある会社ですよ。ところで、会長が「この子は売れるな、磨けば玉になるな」というのは、どのように見極めるんですか。どういう物差しがあるのでしょう。あるいはあってはならないのですか。 |
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| 堀 |
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それはイワシの頭も信心というか、宗教の様なものだと思うのですが、絶対売れるという確信を持つことだと思います。いやしくもその道で飯を食おうと思っている人問が、こいつをスカウトして世に出そうかという時に、そんなに落差はないような気がする。売り出す側の人間の、これは絶対ものになるんだという確信みたいなもの、成功するということに対する決意のようなものがあれぱ、決まりだと思う。僕はそれを自分でやっていた頃は、全く唯我独尊だった。俺の目に絶対狂いはないと思ってるんですから。だからほとんど外してはいないんだ。 |
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| 大朏 |
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そういうことですよね。 |
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| 堀 |
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ただし、坂木九ちやんの時だけは、自信がなかったな。こいつが売れたら俺は逆立ちしてやると思った。ところが数年して売れたわけですよ。子供たちがまだ小さかった頃ですが、そいつらが反応し始めた。これはもしかしたらと思った。子供が一番反応がいいからね。今は大きくなって残念ながら反応してくれるやつがいなくなってしまいました。 |
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| 大朏 |
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だからつくらなきやいけないんでしょう、手伝いますよ。(笑い) |
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| 堀 |
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仕事のためにですよ。(笑い)やはり自分なりに新入を選ぶ原則は持っています。一応三原則としては、「歯」と「目」と「声」を見ます。歯と言うのは、歯並びが良くて白いということにこしたことはないが、一方で、歯がいいということは、咀嚼力があって、健康だということなんですよ。もちろんビジュアルの時代ですから、見た感じがいいというのも大切ですが。
目はですね、何か事を成そうとしたら、タレントに限らず、キラキラと輝いているものなんですね。イワシの腐ったような目ですごいことをやるやつはいませんね。次に声はですね。声というのはでかいことだけなんですね。歌がうまいということではなくて、でかい声が出れば、自分の考えていることを相手に伝えやすいんです。何を言っているのか分からなけれぱ、プレゼンテーションにならない。
大体大きい声を出せるやつはネアカが多い。勝利の女神というのはどうもネアカの方が好きらしい。 |
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| 大朏 |
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最低それは満たさなければという基本ですね。 |
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| 堀 |
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そうです。例えぱ大朏さんが新製品をつくる時は製品には目がないからキラキラ光るわけはないけれども、新製品を作って「社長どうですか、見て下さい」と言ってきたそいつの目は多分輝いている。そこですね。 |
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| 大朏 |
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全くその通りです。どのくらい本気か、ということですよね。猜疑心の目で持ってくるようでは、あれは駄目だなということになりますよね。今なんとか逆らって、歯が汚くて目がイワシで声が小さいやつでもいいじゃないですかと言おうと思ったけれど、やっぱり良くないね。 |
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| 堀 |
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そりゃ、もうだめよね。でも、10人続けてそういうタレントばかりが出たとすれば、たまにはイワシの腐ったのも対照的でいいかも知れないけどね。ただ、これから先は好みなんですよ。僕はそういうことをやりたくない。 |
| 大朏 |
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プロの意識についてうかがいたいのですが、会長の持っておられるプロの定義というのは何ですか。 |
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| 堀 |
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一つの結論は「プロフェッショナルとは自分にテーマを与え続けられる人」だと僕は思うね。本当のプロというのは多分いないんだと思う。プロを目指す、自分はプロフェッショナルたらんということに、あくなく努力を統ける人がプロなのかなという気がするんですね。今、世の中の価値基準、ものを計る尺度というのは非常に大きく違います。でも、その中で、プロプロしいほど間違いはある。プロプロしい人ほど、その乖離は大きい。
結局は限りなくアマチュアの目線に近付ける人というか「お前はこれしか能がない」と自分で自分に引導が渡せる人というか、教える意思のない人から学べる人とか、いろんな答えは持っているんですよ。教える意思のない人からどう学ぶかということがプロなんだ。例えば三つの子供からも教わることがあるんじゃないかとね。それはやはりセンシティビティの間題ですね。ぼやっとしてるとそれは気がつかないわけね。 |
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| 大朏 |
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すると、やはりプロというのは「プロって何なんだ」と、いつも自分に問いかける求道者なわけですね。 |
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| 堀 |
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そう。「柳に飛び付く蛙」じゃないけどね、飛びつけたかどうかは問題じやない。飛びつこうとし続けるという姿勢がプロじやないかなと思うね。 |
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| 大朏 |
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あきらめないやつ。馬鹿でもいいわけですね。 |
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| 堀 |
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そう。偶然飛びつけたとしますか、その時プロというのは面白いんですけれども、自分の手でバーを上げるんです。アマチュアは他人が上げてくれるの。これが、プロとアマの違いだな。まだ、飛ぴ付けてどっこいしょと座った時の顔が緩むようじゃ駄目。だから、いい顔が作れない人もプロになれない。
プロの話でもう一つ。「根に残さない」というのも前提なんですよ。サラリーマンだと色々あるでしょう。お前のことも言わないから、俺のウィークポイントも言うな、というのでは駄目だね。「根に残さないという風土をどう作れるかをよく考えてみろ」といつも言ってます。例えぱボクサーを考えてみると、あれは根に残したら、リングを降りて殺し合いをやる以外にない。彼等はプロだから、リングを降りたらスカッとしてるじやないかとね。 |
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| 大朏 |
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今日の新聞に(ホリプロの)バーチャルタレントのことが載ってましたよね。 |
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| 堀 |
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あれは実は僕が言ったんだけど、実際にこういうのをやったらどうだ、というきっかけだけを与えたら本当にやってしまったわけよ。変なやつだと思っているでしょ。ロボットをタレントにしようかという発想が。いつも何か新しいものにチャレンジしていく。そういう風土を残したいね。 |
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| 大朏 |
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プロというのは結局は金の取れるやつですし、そういうのを何人抱えられるかというのが御社にとって重要なことだと思います。通常会社は自分で食えないやつが30%、真ん中で自分の分は賄えるのが30%、下の分までなんとか稼いでくれるのが30%という構成だと思うけれど、我々は会社サイドだから、下の食えない30%をどうやって引き上げるかを常に苦労しているんですけれど、この辺についてはどうですか。 |
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| 堀 |
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大まかに分けるとそういう事は言えるけれど、我々の場合は一元的に分けられないんですね。だから結果的にはどんぐりでやる以外ない。パーセンテージで分けられないんです。これは、永遠のテーマかな。例えば和田アキ子のマネージャーを、いきなり一番出来の悪い人間に替えて、和田アキ子がシュンとしちやった場合、売り上げに影響が出る気がするんですよね。そこのところが一番難しい。結局それがブロダクションの一番のウィークポイントだと思うんですよ。それを永遠に放っておいたのではまずいんで、どうやってそれをカバーするか、というわけで、実は多角経営に着手しているんです。
僕はこれを「2割5分の原埋」といっているんですが、ホリプロがグループ全体の売り上げの中で25%で収まるようにしようとしているんです。利益率はある程度低下してもいいから、人間をどうやってね振り込むかが間題ですが。
ある売り上げを越えますと、ものすごい利益率というのは高くなってきますから、もしそういう集団が出来上がれぱ、人間を減らして省力化できますからね。 |
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| 大朏 |
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それは、メーカーでも同じですね。例えば研究所で3年、5年経ってもなかなか芽がでないヤツね。「今年は無理でも来年辺りにはなんとかいくかもしれないな」というのは、僕はそっちの方に入れているんですよね。この辺をどうとらえるかが、勝負だと思っています。
これを冷たく見ていると、やっぱ育たないですよね。周りのみんなでそのように見ちやうから。「否、あいつもしかしたら化けるぞ」と僕がひとこと言うと、みんなでそう見るようになるから、本人たちもそんな気になって頑張るからね。 |
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| 堀 |
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そこが大事よね。さっきのイワシの頭も信心からというのもそういうことなんですね。勝利への確信を持てる環境というのをどうやって作るかっていうのが大事ですね。負け戦ばっかり体験させたら駄目になっちやいますから。 |
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| 大朏 |
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会長が執筆された本を拝見すると、10年以上前までは芸能界の信用の無さというのには、随分ご苦労されたんだろうなと思いますが、その辺はいかがですか。 |
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| 堀 |
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それはしょうがないね。野村證券だって、何十年か前は株屋さんと言われていたわけだし・・・・ |
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| 大朏 |
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いまでも言われてますよ(笑い)。
ところで、若い時にご自分でバンドをやられて、プロダクションを興されましたでしょう。芸能人としての経験をもち、公開会社の社長にまでなるという人間は堀会長しかおられないでしょう。大変特異なケースですよね。 |
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| 堀 |
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僕は運が強いんですね、多分。おっちょこちょいで好奇心が旺盛で、嫌なことを忘れられる性格が幸いしているかもしれないな。 |
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| 大朏 |
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これからは創業者として会社を興していきたいという人が増えているわけですけど、そういう人達に贈るメッセージはありますか。 |
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| 堀 |
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今いろいろな勉強会で30、40代で企業家を目指している人に接触するでしょう。すぱらしいと思うのは皆さん非常に計画的ですよね。僕は結果的にそうなっただけで、そういう意味では全然贈る言葉は無いんだな。僕があの時もっと計画的だったら、もっと良かったかなと密かに反省するだけで、まるで計画性というのは無かったからね。ただ、夢みる夢男さんだった面が、結果において実現しているので計画性があったがごとく見えるんだろうね。
特にソフトバンクの孫社長なんてすごいね。20歳ぐらいの時にすでに50年計画を立てたというんだからね。最近になって、それを300年に変えたって言うんだから、あの人の脳味噌ってどうなってるんだろう。とても戦えないね。僕なんて30年先だって分からないね。 |
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| 大朏 |
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会長のところだって、ある時、黒子だけじゃいかん。ホリプロの知名度を上げようと決意され、スカウトキャラバン隊を組織したんでしょう。すごい計画を立てているんですよ。 |